2023年4月1日 電気供給約款の変更について

なぜ燃料費調整額がこんなに高いの?

当社の電力サービスは、発電に必要な燃料価格の高騰などが起こった際に、市場に連動して請求金額に影響が出やすいサービスです。

料金設定自体が市場に連動して変動することはありませんが、燃料費調整額による変動が他社様と比較しても大きくなっています。 燃料価格の高騰にどのように対処するか電力会社によって対応は様々ですが、料金設定自体を値上げしてしまうと燃料価格が落ち着いてもお客様の負担は変わらず、私たちが過分な利益を得るようになってしまいます。

当社は、日本卸電力取引所のエリアプライスに基づいて、機械的に燃料費調整額が算出される仕組みを採用しています。 この仕組みによって、安定供給を実現し、お客様の生活を支えられるように努めています。

日本卸電力取引所のエリアプライスって何?

発電所や電源確保の独自経路を持たない新電力は、お客様宅に供給する電気を日本卸電力取引所から仕入れています。エリアプライスとは、日本卸電力取引所が定めた、地域毎の仕入れ価格とご理解ください。

同じ燃料費調整額なのに、他社と比べて高い理由は?

当社では、燃料費調整額の算出にあたって「追加調整」という独自の計算が行われます。これは、既存の燃料費調整額の計算方法では補うことのできないほどの市場の高騰が発生した際に、電力の安定供給を行うために必要なコストの一部をお客様にご負担をいただくため、2022年5月1日の電気供給約款の改定時に定められました。

「追加調整」の制度が非常にわかりにくく、お客様には大変ご不安な思いをさせてしまったことを深く反省しております。

変更のポイント

「燃料費調整額」および「追加調整」を廃止し
「市場価格調整額」を導入します
POINT.1

市場の影響を受けやすい制度であることを明確にします。

燃料費調整額という他社様と同様の名称を使うことで、お客様からの目線としましては「他社と比較をしてストエネは燃料費調整額が高い」という風に映り、また燃料費調整額の算出方法が、他社様と比較をしてもストエネの算出方法の方が複雑であることから、ストエネが不当に必要以上の利益を得ていると思われても致し方が無い状況でした。
そこで、「燃料費調整額」という名称から「市場価格調整額」という別の名称へ変更することによって、他社様とは別の算出方法であることがより明確になります。
さらに「市場価格調整額」とすることによって、新規契約のご案内時などで市場に連動するプラン設計であることを判りやすくお伝えすることが可能になると考えております。

他社 ストエネ
従来 燃料費調整額 燃料費調整額
変更後 燃料費調整額 市場価格調整額
POINT.2

計算方法が変わります

2023年4月利用分までの内訳
電気料金

=

基本料金

最低料金

+

電力量料金
電力量料金単価

×

使用電力量

±

燃料費調整額
燃料費調整単価

×

使用電力量

±

追加調整単価

×

使用電力量

+

再生可能エネルギー
発電促進賦課金
再生可能エネルギー
発電促進賦課金単価

×

使用電力量
2023年5月利用分からの内訳
電気料金

=

基本料金

最低料金

+

電力量料金
電力量料金単価

×

使用電力量

±

市場価格調整額
市場価格調整単価

×

使用電力量

+

再生可能エネルギー
発電促進賦課金
再生可能エネルギー
発電促進賦課金単価

×

使用電力量
東京エリア
2月分の燃料費調整額をもとに
行った約款変更適用後との比較
燃料費調整額の計算方法
燃料費調整単価(税込) 27.131円 / kWh

▼計算式

燃料費調整単価 =( 平均燃料価格 + 追加調整単価)

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■平均燃料価格より算出する調整単価

平均燃料価格より算出する調整単価 = (①平均燃料価格 – ②基準燃料価格)× 基準単価(税込) ÷ 1,000

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①2022年9月~2022年11月の平均燃料価格
東京 低圧 100,400円 / kl
—————————————
②基準燃料価格 東京 44,200円 / kl
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③基準単価 0.232円 / kWh(税込)
—————————————

(①100,400 – ②44,200)× ③0.232 ÷ 1,000 = 13.0384 ※以降、四捨五入して「13.04円」として計算する。
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================
■追加調整単価
燃料費調整額の追加調整単価=(④東京エリアの平均市場価格 – ⑤追加請求基準値)× 消費税1.1

—————————————
④平均市場価格 23.810
JEPX 東京エリアプライス 23年1月平均 × 調達単価係数1.2

19.83843円/kWh×1.2=23.8061129 ※以降、四捨五入して「23.810円」として計算する。
—————————————

—————————————
⑤追加請求基準値 11.00円
—————————————

平均市場価格から11.00円を差し引いた金額が追加調整額となります。

(④23.810円 – ⑤11.00円)× 消費税 1.1=14.091円
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平均燃料価格 13.04円 + 追加調整単価 14.091円 = 燃料費調整額 27.131円(税込) / kWh
▶︎
市場価格調整額の計算方法
市場価格調整額の単価(税込) 20.691円 / kWh

▼計算式

市場価格調整単価 =(東京エリアの平均市場価格 – 基準値)× 消費税 1.1

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■平均市場価格
JPEX 東京エリアプライス平均 × 調達単価係数1.2

19.83843円/kWh×1.2=23.8061129 ※以降、四捨五入して「23.810円」として計算する。
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■基準値 5.00円
================

平均市場価格から基準値となる5.00円を差し引いた金額が市場価格調整額となります。


(平均市場価格 23.810円 – 基準値 5.00円)× 消費税 1.1=市場価格調整単価 20.691円 / kWh(税込)

※上記計算式は、東京エリアの2月分の数字を用いた例であり、約款変更後の計算式の差をわかりやすくする為に、小数点以下の扱いや、エリアプライスが基準値を下回った場合などの詳細は、表示上煩雑となることを回避する目的で省略しています。

詳細な計算は電気供給約款よりご確認をいただくようにお願いいたします。

これまで燃料費調整額の計算方法は非常に複雑で、お客様がご自身で請求金額の計算を行うことは非常に困難でした。
本約款変更によって、計算方法が複雑だった燃料費調整額を廃止し、新たに市場価格調整額を導入することで、「月間エリアプライス平均に1.2を掛け算し、そこから5.00円を引いた数字(+消費税)」が市場価格調整単価となり、お客様側でも簡単に計算をいただくことが可能になります。
※単価・基準値を変更する場合があります。

POINT.3

これまでと比べて、実質的な値下げとなります

※2023年3月31日以前の当社電気供給約款の定めによる計算方法と比較した場合

電源調達価格の状況によって一概には言えませんが、燃料費調整額から市場価格調整額へ変わることで実質的な値下げとなります。

東京エリア エコ得でんき/Mプラン 30A でご契約中のお客様が月間250kWh電気を利用した場合、912円の値下げとなります。

使用量250kWhの場合
エリアプライス平均 変更前 変更後 差額
¥5.00 ¥10,072 ¥8,335 ¥-1,738
¥10.00 ¥10,897 ¥9,985 ¥-912
¥15.00 ¥12,547 ¥11,635 ¥-912
¥20.00 ¥14,197 ¥13,285 ¥-912
¥25.00 ¥15,847 ¥14,935 ¥-912
¥30.00 ¥17,497 ¥16,585 ¥-912

リスクについてご確認をお願いします。
市場に連動する料金設定であることをご理解ください。

市場価格調整額の名称の通り、市場価格調整額は日本卸電力取引所のエリアプライスに連動して料金が変動します。
昨今、市場連動に関する不安なニュースが多いため、多くの方にとってネガティブなイメージとなりつつある市場連動について、可能な限りご理解をいただくため、Q&Aを用意しました。

Q.市場連動って、つまり料金が高いってこと?
A.特殊な状況下において、料金が高くなることがあります。
過去数年のエリアプライス(東京)と、主な出来事を振り返ってみましょう。
※1 パナマ運河で新型コロナパンデミック 液化天然ガス(LNG)を積んだタンカーが通行不可に。
※2 コロナ禍からの世界的な経済回復により原油需要が加速
※3 ロシアによるウクライナ侵攻

特殊な状況が重なることで、一時的に燃料価格が高騰する可能性がありますが、これまでは比較的安い期間が続いていました。昨今の燃料価格の高騰は、とても稀な状況であることが図からも読み取れます。
Q.今後、市場はどうなっていくの?
A.高騰が落ち着いてきているものの、先行きは予測が難しいです。
この度の市場の高騰は、専門家でも予測できなかった事態で、今後の市場の予測も非常に困難と言われています。

改めて今回の高騰のポイントは3つです。

① 新型コロナパンデミックによる、液化天然ガス(LNG)を積んだタンカーの足止め
② 新型コロナウイルスによって冷え込んだ世界経済の急激な回復
③ ロシアによるウクライナ侵攻

これらの予測することが大変難しい事象が電力高騰に大きな影響を与えました。

予測が出来ないからこそ、各社が順次値上げを敢行し、当社は市場に連動した料金計算方法を採用しています。

この度の燃料価格の高騰によって、私たちのようにエネルギーを取り扱う事業者は、各社が大きな打撃を受けました。
それにより、エネルギー事業から撤退をした事業者や、中には倒産をした会社も少なくありません。
電力自由化より以前から日本全国に電力の供給を行っていた旧一般電気事業者(東京電力や関西電力など)は、事業体の性質から直ちに撤退したり破綻することはありませんが、近況として数千億単位の赤字を公表するなど、とても健全な経営状況とは言えない状況下での供給を続けております。
Q.全ての電力会社が値上げしていくの?
A.全ての電力会社が値上げを予定しているわけではありません。
現在、旧一般電気事業者は、「従量電灯」など規制料金の値上げに向けて経済産業大臣に申請を行っていますが、値上げを申請している会社と、そうでない会社があります。
値上げ申請をしている会社
※2023年3月22日時点
北海道電力 東北電力 東京電力EP 北陸電力
中国電力 四国電力 沖縄電力
北海道電力 東北電力
東京電力EP 北陸電力
中国電力 四国電力
沖縄電力
値上げ申請をしていない会社
※2023年3月22日時点
中部電力ミライズ 関西電力 九州電力
中部電力ミライズ 関西電力
九州電力
値上げの有無については電源の割合によって判断が異なってきます。
この度の燃料価格の高騰は、あくまでも「燃料」の話です。つまり、火力発電の割合が多い地域ほど燃料高騰の煽りを強く受けるということです。

例えば、九州電力様は電源構成として太陽光発電の割合が他のエリアと比べて多く、また原子力発電所の稼働もある地域です。
このように火力発電への依存度が低い地域ほど、燃料価格高騰の影響を受けにくく、電気料金への反映も回避できると考えられます。
Q.他社も燃料費調整額で値上げをするの?
A.従量料金(使用量の単価)を値上げする会社が多いです。
ストエネ以外の他社様が全て従量料金(使用量の単価)の値上げを行うわけではありませんが、当社調べでは従量料金で値上げを行う会社様が多い状況であると把握しています。
他社様の値上げのイメージ
変更前(1kWh) 変更後(1kWh)
電力量料金
(1kWh~120kWh)
25.01円 34.84円
電力量料金
(120kWh~300kWh)
31.61円 41.44円
電力量料金
(300kWh以上)
35.70円 45.53円
燃料費調整額 変更なし
※上記表は、燃料費調整額ではなく従量料金で値上げをする場合のイメージとして掲載しています。全ての電力会社が同様の値上げ幅ではありません。
ストエネの料金に関する変更
変更前(1kWh) 変更後(1kWh)
電力量料金 25.70円 変更なし
燃料費調整額 他社と異なる独自の算出 廃止
市場価格調整額 エリアプライスに連動した単価設定
Q.結論としてどっちが良いんですか?
A. 市場の状況によって異なります。
多くの電力会社様が採用している使用量料金の単価の値上げと、ストエネの市場価格調整額による調整とでは、どちらが良いかはイメージがわきにくいかと思いますので、それぞれのメリットとデメリットをまとめました。
メリット デメリット
市場価格調整額で調整する
ストエネ
エリアプライス(燃料価格や市場)が
落ち着いているときに安い。
エリアプライスが
高騰した際に高くなる。
従量料金で値上げする会社 燃料価格等が高騰しても
高くならない。
エリアプライス(燃料価格や市場)が
落ち着いてくると割高になる。
従量料金そのものを値上げされる会社様は、今後世界情勢の安定化とともに燃料価格が落ち着いた場合であっても、お客様のご負担に変わりはありません。一方で、弊社は従量料金については現時点では変更予定がないため、燃料価格の落ちつきとともに実質的な値下げ(※)が適用されることとなります。

※2023年3月31日以前の当社電気供給約款の定めによる計算方法と比較した場合

2023年4月1日適用の新しい電気供給約款はこちら。
電気供給約款の変更に伴い、変更前の約款との新旧対照表を用意しております。

本約款変更に関する通知について

電気供給約款の変更にあたって、以下のスケジュールで通知を行う予定です。

送付物 送付先 送付時期
変更前の事前通知(SMS) ご契約者様の携帯電話番号宛 3月10日〜3月14日にかけて順次送信
変更前の交付書面(郵送) ご契約者様の住所宛 3月20日発送
変更前の再通知(SMS) ご契約者様の携帯電話番号宛 3月24日〜3月28日にかけて順次送信
変更後の交付書面(郵送) ご契約者様の住所宛 4月24日より順次発送

※電気供給約款の変更に伴う、「変更前」と「変更後」の2回に書面交付は、電気事業法および特定商取引法によって定められた法定通知です。

上記通知が届かない場合は、非常に重要なお知らせとなりますので、必ず以下までお問い合わせをお願いいたします。

本約款変更に関する通知が届かなかった場合のお問い合わせ

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約款変更の通知が届かない*
本人確認情報

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当社といたしましては、柔軟な対応に取り組み、かつ可能な対策を講じ、お客様が安心安全に電気を利用する環境の構築と電気事業の健全な発達に貢献できるよう努力を続けてまいります。また、今後もお客様の声を真摯に受け止め、サービス向上のために鋭意努力してまいりますので、末永くご愛顧賜りますようお願い申し上げます。

電気供給約款の変更に関するお問い合わせ先

ストエネ カスタマーセンター
営業時間
10:00~18:00
※年末年始を除く
自動音声メニューを『 3 → 3 』の順番でお選びください。

※平日13:00以降、もしくは日曜日が繋がりやすくなっております。